「一朝目覚めたらぼくは有名になんっていた」-と手帳にしるしたバイロンは、一貫した憂鬱と倦怠のなかにあって、何者にも検束されざる生活を希みながら、ひたすら自己をみつめ、自己を描きつづけた近代的自我の詩人である。