あらすじ
「茶道」の精神を通して、日本の暮らしの哲学を紹介した『茶の本』の全訳と、東洋文明の流れをたどった『東洋の理想』(抄訳)の代表作を、読みやすい訳文と平易な解説で収録。また、美術への情熱やバネルジー夫人との恋など、エピソードと証言で岡倉天心の生涯を綴った読み物風伝記を付載。この1冊で天心の思想を理解し、天心という人間を知ることができる。思想家・天心の人と思想の入門書。〈目にやさしい大きな文字〉 まえがき──『茶の本』の新訳にあたって 第一章 茶碗にあふれる人間性 さまざまな文化が凝縮された茶 東洋と西洋は互いに誤解を解かねばならない 西洋はどのように茶を受け入れてきたか 一杯の茶を──荒廃した現代世界の再生を待ちながら 第二章 茶の流派 茶の三段階──団茶、抹茶、煎 『茶経』──文化としての茶の誕生 日本において茶は完成される 第三章 道教と禅 茶は道教を根底とする 絶対は相対にほかならない 道教から禅へ 第四章 茶 室 異端の建築 茶室は禅の精神の結晶である 好き家──好みの家 第五章 芸術鑑賞 琴には琴の歌を歌わせよ 謙譲の心で芸術を鑑賞する 芸術への敬意 鑑賞者の器量 現代芸術の意義 第六章 花 花への哀歌 花をいつくしむ 花を生けるとは 華道の歴史 茶と花 第七章 茶人たち 茶人がもたらしたもの 茶人の死 東洋の理想 序 章 理想の広がり 終 章 展 望 《解説ノート》 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 序章 終章 エピソードと証言でたどる天心の生涯 幕末開港地生まれの国際人 十四歳で東京大学第一期生、十六歳で学生結婚 エリート文部官僚の伝統日本美術擁護運動 東京美術学校の創設 中国への旅──文明風土の発見 凋落の始まり 美術学校長非職と日本美術院の創設 日本画革新運動と同時代西欧前衛芸術 インド巡礼 五浦の発見 アメリカへ 同志たちの死と自身の死の予感 バネルジー夫人との最後の恋 詩劇『白狐』──故郷日本の幻 終 焉 読書案内 あとがき