日本軍兵士ーアジア・太平洋戦争の現実
吉田 裕
2017年12月21日
中央公論新社
人文・思想・社会
4.27 (107件のレビュー)
書籍概要
新書大賞受賞 第30回アジア・太平洋賞特別賞受賞 310万人に及ぶ犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。本書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。 異常に高率の餓死、30万人を超えた海没死、戦場での自殺・「処置」、特攻、劣悪化していく補充兵、靴に鮫皮まで使用した物資欠乏……。 勇猛と語られる日本兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験をせざるを得なかった現実を描く。 【目 次】 はじめに 序 章 アジア・太平洋戦争の長期化 第1章 死にゆく兵士たちーー絶望的抗戦期の実態1 1 膨大な戦病死と餓死 2 戦局悪化のなかの海没死と特攻 3 自殺と戦場での「処置」 第2章 身体から見た戦争ーー絶望的抗戦期の実態2 1 兵士の体格・体力の低下 2 遅れる軍の対応ー栄養不足と排除 3 病む兵士の心ーー恐怖・疲労・罪悪感 4 被服・装備の劣悪化 第3章 無残な死、その歴史的背景 1 異質な軍事思想 2 日本軍の根本的欠陥 3 後発の近代国家ーー資本主義の後進性 終 章 深く刻まれた「戦争の傷跡」 あとがき
詳細情報
- ISBN
- 9784121024657
- 出版社
- 中央公論新社
- 出版日
- 2017年12月21日
- カテゴリ
- 人文・思想・社会