シェリング政治哲学研究序説
中村 徳仁
2025年3月31日
人文書院
哲学・思想
レビューなし
書籍概要
シェリングを政治哲学として読み解き、全体像の転換を図る画期作 生誕250年、シェリング・ルネサンスはさらなる広がりへ ドイツ観念論を代表する哲学者シェリング。超越論的観念論や自然哲学などで名高いその思想は、近年世界的な再評価が高まっている。しかし、国家と宗教のあり方が揺れる革命の時代を生き抜いたシェリングが一貫して論じたのは、実は政治に抗するための政治哲学ではなかったか。つまり「反政治」という形で。シェリング研究の最前線を取り込み、「自由」「信と知」「ケノーシス」といったテーマを潜り抜け、このテーゼの論証に捧げられた新鋭による成果。 「シェリングは時代の大変換期にあたって、かれなりの仕方で時代に政治的に介入したのだ。本書では、かれの特異な政治性を「反政治Antipolitik」と呼びたいーーこれは「非政治的unpolitisch」と区別される。その含意については本書の序論で詳しく述べるが、さしあたり重要なのは、法や国家による支配が人間生活に浸透していくことを積極的に制限しようとする営為である、ということだ。そしてそれは、政治に支配されないための(メタ)政治とも言い換えられよう。」(本書より) ◎目次 まえがき 反政治神学としての哲学と宗教ーーなぜいまシェリングか? 序論 正統と革命のはざまに立つシェリングーー先行研究の整理 第1章 新しい神話とその前史ーー若き日のシェリングを取り巻く言説状況 第2章 ラディカルに開かれた「同一性」をめぐる思考ーー完成と個性のあいだの葛藤 第3章 国家の中の居心地悪さーー必要悪としての法と政治 第4章 ケノーシス的終末論としての哲学的宗教ーー『啓示の哲学』の「未来」 結論 あとがき 初出一覧 参考文献 人名索引
詳細情報
- ISBN
- 9784409031377
- 出版社
- 人文書院
- 出版日
- 2025年3月31日
- カテゴリ
- 哲学・思想