どんな簡単な外国語を訳すときでも、我々はそこで“異文化”をつきつけられる。言葉と文化を橋渡しする「翻訳」とは、いかなる行為なのか。翻訳者の腕の見せ所は、どのようなところにあるのか。従来、経験やセンスの問題と片付けられることが多かった翻訳を、「日欧の言語・文化の比較」という視点がとらえ、合理的に解明する。よりよく翻訳する力をつけるための翻訳論入門。