あらすじ
本が崩れる! のをものともせず、多様かつ膨大な本を集めて読みこなし、ものを書く歓びに一生を捧げた稀代の雑文家=随筆家、草森紳一。筆と思考、想念の赴くままに綴った本にまつわる話を中心に、オーバージャンルな文章を選りすぐった、本好きにはこたえられない初のベスト・エッセイ集。氏の元連載担当編集者で、雑文家を継ぐ編者による、「雑」の世界観、醍醐味につらぬかれた決定版。読書、漫画、雑誌、写真、中国文学…稀代の“書痴”の随筆を堪能する一冊。 「本というものは、どうしようもないもので、ほっておくと、どんどん増えて、歩く場所もなくなるほどの繁殖力をもっている」 「一日に一回は、本屋さんを覗かなければ気持ちが悪い」 「「めくるだけ」の喜びだけは、一冊残らず、どの本からも味わっている」 「中国の古典詩を読むのは、私にとって常食に近い」(本文より) I 読書の不良 書痴の醍醐味ーー古本屋 読書の不良 重い旅行鞄 白い書庫ーー顕と虚 本「は」物ーー装幀と著者との関係 墓場の書斎に閉じこもる II 本の世界は雑、雑誌の世界は雑 世界は、雑ーー随筆・雑文・エッセイについて ケ・セラ・セラ、あるいは没法子ーー1960年代のデザイン III 漫画も読む、音楽も読む、写真も読む、デザインも読む 手塚治虫の功罪 焼き飯とビールーー植草甚一 地上に落下したレノン 青空はあったーー勢揃いした若い写真家たち 青蠅のような情動ーー森山大道『にっぽん劇場写真帖』 生き神様の住む国のグラフィズムー天皇と対外宣伝雑誌『フロント』 IV 読書の偏食、読書の雑食 仲尼の羽飾りーー金子光晴の放胆文について 「とは、知らなかった」--私と『新青年』 時間の復讐・風景の悪意ーー死をめぐる日影丈吉の乾いた文体 文学の中の麻雀ーー山田風太郎、中井英夫 V オリジナリティなんか認めない ナンセンスと幼児帰り イラストレーション刺青説 意志薄弱のフル・ストップーー現代句読点論 6 東洋的思考、中国的思考 「急がば、回れ」かーー抽斗し人間と倉庫人間 辞書に相い性ありーー塩谷温編『新字鑑』 きみ死してわれ活くるともさらに休むことなしーー『金瓶梅』の実況精神 漢詩賞遊ーー陶淵明、李白、王安石、高啓、施閏章、李賀 編者解説 「文章体験は、旅に似ている」 平山周吉 草森紳一 略年譜・著作リスト 初出・出典一覧