旅の効用
書籍概要
インドを中⼼に世界を旅してきたジャーナリストが、 ⾃他の旅の記憶をていねいに辿りながら 「⼈が旅に出る理由」を重層的に考察するエッセイ。 なぜ人は何度でも、何歳になろうと旅に出るべきなのか。 それは旅こそが私たちにとって最⾼のセラピーであり、 ⾃分を育む⾏為にほかならないからだ。 旅好きも、旅が遠くなった⼈も必読の滋味あふれる旅論。 【スウェーデン発、欧州ベストセラー!】 (本書より引用) 不機嫌という病を治すにはまず、自分の安全領域から外に飛び出すことだ。 そうすれば、すべてをコントロールしなくても日々がうまく運んでいくと気づくこともある。 いったん異文化の中に身を置けば、足が地に着かなくなっても 「すべてうまく行くだろう」と信じることができる。 変化がなければ心は消耗する。だが新たな見方をするようになれば、新たな展望が開ける。 旅をすれば感覚が研ぎ澄まされ、世間や家庭内の状況に対して注意深くなる。 今まで無関心だったことにも、不意に何かを感じるようになるのだ。 今まで見えていなかったことが不意に見えてくるのである。 美しい言葉に言い直すとすれば、旅と遊牧民の生活様式こそイデオロギーだった。 旅は、前もって予見可能であってはならず、ページを開いた瞬間の 本のようでなければならなかった。 旅人は、自分が今から何と出会うか、誰と遭遇するかを知っていてはならなかった。 1 閉じられていた戸が開く 2 「ここではない、どこか」という憧れ 3 「明日は分からない」旅へ 4 列車よ、私を遠くに連れてってくれ 5 遠く、放浪へ 6 さまよう惑星の上を行ったり来たり 7 カメのように、カタツムリのように 8 何度も戻る。何度も続ける 9 いったいなぜ、私たちは旅をするのか 10 ヒッチハイクの愉悦と憂鬱 11 遠い過去へと戻る旅立ち 12 国境を越えて、自由に動き続ける 13 自由な旅人、無鉄砲な旅人 14 世界の旅行記を旅する 15 人は旅で本当に変わるのか 16 旅と病の間 17 世界の不安と旅不足 18 旅の終わりという始まり
詳細情報
- ISBN
- 9784794224361
- 出版社
- 草思社
- 出版日
- 2020年1月24日
- カテゴリ
- 地理