あらすじ
沈みゆく国で私たちはどう生きるか? 現代ニッポンの思考地図 戦後日本モデルの限界と、カオス化する世界秩序の中で、沈まないための「日本再生論」 統治コストを嫌う権力が中産階級を壊し、人を信じる制度は監視へ傾く。役に立たない人を排除する空気のなかで、言葉を失った社会はさらに統治しやすくなる。画面に奪われた身体感覚と共感に寄りかかる政治が「改革」を空洞化させ、単純な物語が人と社会を傷つける。世界では同盟の前提が揺らぎ、安保を他国に委ねてきた日本に選択が迫られる。コモンが痩せた国で、何を守り、どこに居場所をつくるのか。複雑さに耐える知性への招待。 まえがき 第1章 沈みゆく日本の教育と「市民的成熟」の崩壊 市民的成熟を育てる学校と職場の条件 「指導」の名の暴力が組織を腐らせる 従順さではなく判断力を鍛える道徳へ 言葉を失った社会は統治しやすい社会になる 画面に奪われた身体感覚が日本を弱くする 沈みゆく社会で大人が学び直すべきこと 共感疲れの時代に必要な「痩せ我慢」の倫理 第2章 統治と成長の罠──中産階級の没落と日本の貧困化... 統治コストを嫌う権力が中産階級を壊した 性善説で設計された社会が壊れるとき 人を信じる制度と監視社会の分岐点 「役に立たない人」を排除する社会の末路 コモンが痩せた国に豊かさはない 第3章 改革と加速主義、単純主義──壊れていく政治と社会 複雑さに耐える知性が社会を救う. 農業と市場原理主義の支配 「早く」だけの政治が都市を破壊する 独裁者とイエスマンの社会のゆくえ 首長の資質と責任 単純な物語が人と社会を傷つける 何でも「誰かの陰謀」にする政治の危険 第4章 カオス化する世界秩序と日本の選択. 安保が消えたあと、日本は何になるのか 同盟を壊して票を稼ぐ大統領と日本 「道義的な大国」から世界最強のならず者国家へ 民主主義の空洞を埋める新しい帝国たち 建国の理念を裏切るポピュリストの登場 イーロン・マスクの野望 「悪」がやけに魅力的に見える社会心理. 「ゆるさ」を失った国が選ぶ極端な進路 第5章 自由と家父長制──カオスの時代に「居場所」をつくる 将来を決めつけられた若者たちの「居場所なき自由」 心の中はわからなくても人は支えられる 息苦しい日本の正体 未来を選び取る力としての〈良心〉 「歌われざる英雄」によって支えられる社会 日本のイディオクラシー(愚者支配) 支配ではなく責任としての家父長制 「自由の国」に統制が増えていくメカニズム