白洲正子と歩く琵琶湖 江北編ー山、命生む母性への祈り
書籍概要
随筆家 白洲正子は近江に足しげく通い、自身の紀行文の題材として数多くその地を取り上げた。 本シリーズでは、「古きカミに対する感謝と畏敬の念を忘れてはならない」という彼女の想いに共鳴し、その作品を引用しながら近江の文化をめぐる。 『江南編』では、自然に宿るカミの姿と、カミと仏が融合する聖地を案内します。『江北編』では、琵琶湖の水源をなす近江の山を取り上げ、山々が生み出す最高の恵「水」に対する感謝とここから派生する祈りについて解説しました。最終刊『湖水編』(2020年4月頃予定)では、「天台薬師の浄土」と謡われた琵琶湖そのものに焦点を当て、湖と人とが造り上げた「琵琶湖という文化」を解説します。 著者自らが撮影した各画像には、比較的長文のキャプションがつく。このシリーズはこれを拾い読みしていくだけでも、近江の文化を十分堪能できる。従前の「白洲正子本」とは一線を画す書。 序章 山、命生む母性への祈り 第一章 「比良」-琵琶湖を生み、そして見つめる山並み 一 比良の峰に宿るカミ 二 シコブチ明神……比良の恵みを運ぶ神 三 比良が溶け込む庭園……旧秀隣寺庭園 四 水が生まれ旅立つ……池の沢庭園 第二章 「鈴鹿の山」 ー賑わいを生む山並み 一 龍神を生み見護る山の視線……綿向山 二 蛇神小野時兼の幻影……熊野神社 三 鈴鹿の巷……奥永源寺政所 四 木に暮らしをゆだねる民……木地師 五 流浪する貴公子……惟喬親王 六 山を駈ける者たち……蛭谷・君ヶ畑と氏子狩 七 神を創造した木地師の村 八 異国をも結ぶ鈴鹿の山並み……湖東三山 九 暮らしを結ぶ山の道・水の路……犬上川に沿って 十 鈴鹿の息吹が降り立つ処……多賀大社 第三章 「伊吹山」-荒ぶる、しかし優しき神の坐す山 一 日本武尊と伊吹の神 二 伊吹山護国寺と修験の山 三 伊吹山四カ寺 四 様々な伊吹の恵み 五 伊吹山の水……命を与え、そして宿す 六 水の女神……太平寺十一面観音 第四章 「己高山」-十一面観音が護る山 一 己高山と鶏足寺 二 十一面観音……それは水を生み出す女神 三 木に宿るもの……十一面観音の造形 四 鶏足寺……水源の寺 五 石道寺十一面観音……観音様と見える 六 向源寺十一面観音……白山比羊の幻影 七 医王寺十一面観音……山に帰った観音様 八 安念寺いも観音……戦火をくぐり抜けた観音様 九 櫟野寺十一面観音……大地に根を下ろす観音 十 安住の地を得た観音様……湖北観音の里
詳細情報
- ISBN
- 9784860993405
- 出版社
- 海青社
- 出版日
- 2019年4月20日
- カテゴリ
- 紀行・旅行エッセイ