ヘーゲル歴史哲学の実像に迫る
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哲学・思想

ヘーゲル歴史哲学の実像に迫る

松田純

知泉書館2023年9月21日

なし

あらすじ

ヘーゲル(1770-1831)の思想は主としてベルリン大学の講義を通して伝えられた。彼の死後,友人たちや息子により編集された全集版でヘーゲル像が形成され,その影響は今日まで及んでいる。 ヘーゲルが後世に与えた影響は著作より講義であった。難解な著作に比べ,学生に分かりやすく語った講義は広く読まれ,とりわけ『歴史哲学講義』はヘーゲル哲学の入門書として受容された。この書はわが国でも長く親しまれてきたが,批判的校訂版や新たな講義録が近年刊行され,多くの問題点の指摘により信頼が失墜している。 1822年からコレラで亡くなる31年までの10年間の講義は,そのつど思想内容を大きく変えていった。著者は1831年のヘーゲル最後の歴史哲学(世界史の哲学)講義の自筆原稿を検討,歪められてきた旧説を徹底的に批判し,本来の姿を明らかにする。 ヘーゲルの歴史哲学については,不透明な体系の中での構成である,そこには生きた行為がない,さらに現状を正当化し未来が不在だなど,多くの評者から批判を浴びてきた。本書ではヘーゲルの思考の展開に即して,従来の批判とは違うヘーゲル像を提示した。邦訳版全集の刊行と相まって新たなヘーゲル研究の扉を開く意欲作である。 第1章 「世界史の哲学」とは何かーー最初の序論構想  1 歴史考察の3様式  2 試行錯誤する構造化  3 地理的区分と時代的区分との交錯  4 自然風土的要素の位置づけに見られる揺れ  5 ヘーゲルの歴史モデルの由来 第2章 最終学期1830/31年序論の構想  1 理性が世界を支配している  2 理性の巧知と世界精神  3 国家の総体的把握  4 自由の発展と歴史区分 第3章 近代という時代の把握  1 ゲルマン世界の3期区分  2 初年度1822/23年講義の近代認識  3 新しい旗印  4 1824年から27年までの近代史叙述の変遷 第4章 最終学期における近代認識の深まり  1 30/31年講義は七月革命の衝撃を受けて近代に重心を置く  2 宗教改革と宗教戦争  3 啓蒙思想とフランス革命ーー抽象的自由の原理に対する批判  4 リベラリズムの破綻  5 歴史的現在の総括ーーヘーゲルの最後の近代認識の地平  6 「未来の国」アメリカ 第5章 自由の意識の発展を法の歴史として捉えなければならない  1 法の歴史を語らない『法哲学』  2 自由の実現としての法の歴史  3 完結した国家の外にある世界史  4 主権国家の平和的安定  5 20世紀後半以降の国際法 第6章「世界史の哲学」と「精神の歴史性の哲学」  1 歴史性 Geschichtlichkeit はヘーゲルの造語  2 ニコライ・ハルトマンによる歴史哲学の基礎づけ むすびにかえて あとがき 索引

書籍情報

ISBN
9784862853905
出版社
知泉書館
発売日
2023年9月21日
ジャンル
哲学・思想
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