あらすじ
養育できない子どもを捨て他者にゆだねた〈近世〉から、母性愛が強調される〈近代〉へ。その過程で、乳母に頼らず実母の母乳哺育をよしとする風潮が生まれていく。他方、子を捨てる親は「鬼」と呼ばれた。育児相談、母親の育児日記、乳児用ミルクの広告、捨て子に添えられた手紙などの史料を切り口に、子どものいのちをつなぐ営みの変化を探る。 乳と捨て子の近世から近代へープロローグ 近世・近代転換期の棄児院構想 堕胎・間引きへの対応策としての棄児院 堕胎の習俗化への対応 「堕胎圧殺禁止衆議書」 江戸と大坂の「捨子養育所」構想 明治期の乳母をめぐる現実と言説 近世・近代転換期を生きた福澤諭吉と乳母養育 福澤の手紙に見る乳母 乳母選びをめぐる苦労 「家庭」への着目と乳母否定へ 母の日記と医者の育児日記 「母乳」の語の登場と「母乳哺育」の価値化 「はゝのちゝ」から「ぼにゅう」へ 「育児問答」に見る乳をめぐる悩み 二つの育児日記 乳児死亡率と「母乳哺育」の重視 「捨子」から「棄児」へ 捨て子の近世から近代へ 新聞記事を読み解く 捨て子は「哀れなる物語」に 産み育てる現場に立つーエピローグ
書籍情報
この本をシェアする